国立環境研究所は、浸透移行性殺虫剤がもたらすトンボへの影響を明らかにしたと発表した。これは、比較的規模の大きい実験用水田を用いて、水田の生物相に対する影響を調査したもの。その結果、フェニルピラゾール系農薬のひとつであるフィプロニルが使用された水田では、一部のトンボ種の発生に強い負の影響が確認された。また、さまざまな浸透移行性殺虫剤(クロチアニジン、フィプロニル、及びクロラントラニリプロール)が使用された水田内において、それらの水中濃度は適用後3か月以内に検出限界程度に減少するが、土壌中では栽培シーズン終了時まで比較的高濃度で検出されることが明らかとなった。近年、浸透移行性の育苗箱施用剤、特にネオニコチノイド系殺虫剤の普及が原因で、トンボ類が減少傾向を示しているのではないかと指摘されているが、今回の成果により、一部の殺虫剤は水田中においてトンボ相に深刻な影響を及ぼすリスクがあることが示唆された。
情報源 |
国立環境研究所 報道発表
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機関 | 国立環境研究所 |
分野 |
健康・化学物質 自然環境 |
キーワード | 生物多様性 | 国立環境研究所 | 殺虫剤 | 農薬 | 影響評価 | 生物相 | ネオニコチノイド | トンボ |
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