新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、高性能ナノ繊維で強化した樹脂複合材料と高効率製造プロセスを開発したと発表した。セルロースナノファイバー(CNF)は、持続型木質バイオマス資源由来の、軽量、高強度、低熱膨張のナノ繊維であり、樹脂補強繊維としての利用が期待されている。京都大学が主体となった、王子ホールディングス(株)、日本製紙(株)、星光PMC(株)、(地独)京都市産業技術研究所が参画する産学連携グループでは、樹脂の補強性に優れたCNFの開発に取り組んできた。今回、耐熱性と樹脂との相溶性に優れた軽量、高強度の新たなCNF材料と、このCNFで補強した樹脂複合材料を高効率で連続的に製造するプロセス(京都プロセス)を世界に先駆けて開発した。また、これらの技術を一貫製造プロセスで実証するためのテストプラントを京都大学宇治キャンパス内に完成させ、稼働を開始した。平成28年度から、複数の企業や公的研究機関に向けてテストプラントにおいて製造したサンプルの提供を予定している。