森林総合研究所は、ドイツのヘルゴランド鳥類研究所、オーストラリアのディーキン大学、北海道大学、山階鳥類研究所と共同で、北海道で繁殖する草地性の小鳥「ノビタキ」(体重15g)の渡りルートを明らかにしたと発表した。東アジアからオーストラリアにかけての南北の区域は世界で最も多くの種類の渡り鳥が生息するにもかかわらず、小鳥の詳細な渡りルートは明らかになっていなかった。今回、ノビタキに小型の計測機器を装着し、その渡り経路を追跡した。その結果、繁殖を終えたノビタキは大陸に移動して中国を経由し、主にインドシナ半島で越冬していた。従来、日本の渡り鳥は本州伝いに南下して大陸に渡ると考えられていたが、異なる渡りルートの存在が明らかになったことで、国内だけではなく、海外の渡り中継地や越冬地での保全(渡り中継地での小鳥の大量捕獲、インドシナ半島での草地の減少などに対する取組)も重要になるとしている。