国立環境研究所は、研究情報誌「環境儀」第62号「地球環境100年モニタリング ~波照間と落石岬での大気質監視~」を刊行した。大気中の二酸化炭素(CO2)の濃度は、ここ300年間の化石燃料の使用や森林の破壊などによって約120ppm増加し、年平均で400ppmに達している。また、CO2のみならず、メタンや亜酸化窒素、フロン類、オゾンなどの温室効果ガスの濃度も上昇しているため、今世紀末には温室効果ガスの排出量をほぼゼロにしなければ、地球の平均温度は産業革命以前より2℃以上高くなると言われている。こうした状況があるなか、今号では、同研究所地球環境研究センターが、沖縄県波照間島ならびに北海道落石岬で実施している温室効果ガスの長期モニタリングおよび20年以上にわたるデータ解析などについて、最新の研究成果(濃度変動の要因を探る研究等)を、研究者インタビューや世界の温室効果ガス観測の現状などを交えながら紹介している。