(独)国立環境研究所地球環境研究センターは、冬季の富士山頂のように低温・無人・無電源下となる厳しい環境下でも二酸化炭素(CO2)を自動観測できる機器を開発し、実用的観測フェーズとして、富士山頂で2011年から2012年にかけて越冬自動観測を行うと発表した。同システムは、冬季には温度がマイナス20℃以下となり、人がメンテナンスに行くことができず、商用電源もない富士山頂であっても、10ヶ月以上の期間にわたり、1日に1回、CO2濃度を精度0.3ppm以下で測定し、データを衛星経由で送ることができる。同センターでは、これまで2年間にわたり、富士山特別地域気象観測所(旧・富士山測候所)で、同システムの実用化試験を行い、その実用性を確認。今後、実用的観測フェーズとして、観測機器の整備と本格的な観測を開始する。なお、観測データは、マウナロア山(ハワイ)のデータとの比較を行うほか、同センターで行っている波照間島(沖縄県)、落石岬(北海道)などの観測所でのモニタリングデータとも比較することにより、東アジアでのCO2発生の地理的情報が得られることが期待されるという。