物質・材料研究機構(NIMS)は、粘土鉱物中のセシウム吸着場所をNMR(核磁気共鳴)で特定したと発表した。福島県にある大量の放射能汚染土壌の中では、粘土鉱物が放射性セシウムを吸着している。その際、雲母などの粘土鉱物の中で、風化に伴って生じる「エッジ」が、セシウムを選択的に固定していると考えられているが、その構造的なメカニズムは分かっていなかった。今回研究チームでは、くさび型空間をもつアルミニウム置換粘土を作製し、安定同位体セシウム(133Cs)の吸着・脱離状態をNMRによって解析した。その結果、セシウムは、アルミニウム置換粘土のくさび型空間と層間内部の2つの場所に吸着されていることが明らかとなった。また、脱離処理を行った後もセシウムが残留していたことから、これらの構造にセシウムを安定的に吸着する性質がある可能性が示唆された。さらなる解析等により、放射性セシウムの吸着能力の向上や吸着制御の向上に貢献が期待できるという。
情報源 |
物質・材料研究機構(NIMS) プレスリリース
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機関 | 物質・材料研究機構(NIMS) |
分野 |
健康・化学物質 水・土壌環境 |
キーワード | 物質・材料研究機構 | 吸着 | 汚染土壌 | NMR | 粘土鉱物 | NIMS | 福島県 | 放射性セシウム | セシウム |
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