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 東京大、チェルノブイリと福島の河川水中の放射性セシウムに関する調査研究の成果を発表

発表日:2017.09.29


  東京大学は、チェルノブイリ地域(Pripyat川)と福島地域(口太川)の河川水中の放射性セシウムに関する調査研究の成果を発表した。原発事故に由来する放射性セシウムの河川における水溶解性は、河川水中の懸濁粒子を構成する粘土鉱物への吸着反応に支配されていると言われている。今回、両河川における放射性セシウムの水溶解性を比較した結果、1)チェルノブイリ地域では放射性セシウムの溶存成分の割合が70%程度であるのに対して、福島地域では30%程度であることが分かり、2)チェルノブイリ地域の河川中には、福島地域とは異なる「粘土鉱物と腐植物質の複合体」が安定的に形成される様子が観察され、3)チェルノブイリ地域は泥炭地で、有機物濃度が高く、河川中のカルシウム濃度が高い炭酸塩地域であるため、「粘土鉱物と腐植物質の複合体」が生成され易い環境にあるため、福島に比べて放射性セシウムの懸濁粒子への吸着が阻害され、水溶解性が高まることが示唆されたという。

情報源 東京大学大学院理学系研究科 プレスリリース
機関 東京大学
分野 健康・化学物質
水・土壌環境
キーワード 東京大学 | 河川 | 原子力発電所 | 粘土鉱物 | 福島県 | 放射性セシウム | チェルノブイリ | 懸濁物質 | 水溶解性
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