岩谷産業(株)は、(独)産業技術総合研究所との共同研究で、木質系バイオマス由来のDME(ジメチルエーテル)の合成に成功したと発表した。DMEは、LPガス(液化石油ガス)と似た性質を持つ合成ガスであり、多様な資源(天然ガス、石炭、重質油、バイオマス等)から生産が可能であること、また、用途も多様(民生用/工業用LPガスの補完、ディーゼル代替等)であることが特徴である。今回成功したDME合成プロセスは、1MPa未満の条件で木材をガス化したものからDMEを効率良く合成するもので、高圧ガス保安法の適用範囲除外となるため、今後さまざまな可能性が模索できるという。例えば、木質系・草本系の原料を確保しやすい地域を移動して小規模に生産したバイオマスDMEを、需要の見込まれる地域で消費するなど、規模にとらわれることなく機動性を活かした事業モデル、または、バイオ燃料の地産地消事業モデルへも発展し得るという。