環境省は、電気事業分野における地球温暖化対策の進捗状況の評価の結果を公表した。電力部門は、日本国内全体の約4割を占める最大の温室効果ガス排出源である。そのため、平成28年2月に環境大臣と経済産業大臣は、電力業界の低炭素化に係る取組の実効性を確保していくことに合意し、進捗状況を毎年度評価することとした。平成29年度の進捗状況については、電力業界の自主的取組である「電気事業低炭素社会協議会」の枠組みへの懸念や課題が顕在化しており、火力発電所の発電効率の基準(省エネ法ベンチマーク指標)や算定方法に課題が見られると評価された。両省は、パリ協定発効に伴う長期的かつ大幅な削減の実現が急務であることから、今後の取組を注視しつつ、目標の達成が困難になることのないよう、施策の見直しを含めて検討すべきだと指摘している。