情報・システム研究機構国立遺伝学研究所、東京大学、理化学研究所および京都大学の共同研究グループは、植物の水輸送に関与する遺伝子とその拡散に関する研究から得られた知見を紹介した。同研究グループは、既往研究において、植物の道管の細胞壁に存在する「壁孔」は水分を通しやすい薄い細胞壁で作られており、ROP11というタンパク質がスポット状に活性化することで壁孔を形成することを解明している。今回、1)ROP11の働きを調節する2つの遺伝子を探索し、2)それらの遺伝子の働きを抑制または促進することで壁孔(ROP11の活性化するスポット)の数が変わり、3)「反応拡散モデル(Alan Turing(1952))」を用いて、ROP11の濃度分布の偏在(スポット形成の仕組み)を予測するとともに、実験的な検証に成功した。今回の成果は、植物細胞内におけるタンパク質濃度パターンから壁孔の形成を数学的に解明したものであり、植物の水輸送のみならず、植物の大きさ・硬さなどの人為的制御に接近するものであるという。
情報源 |
国立遺伝学研究所 プレスリリース
東京大学大学院理科系研究科・理学部 ニュース 理化学研究所 報道発表資料 |
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機関 | 国立遺伝学研究所 東京大学 理化学研究所 |
分野 |
自然環境 |
キーワード | 理化学研究所 | 東京大学 | 京都大学 | 遺伝子 | 細胞壁 | 国立遺伝学研究所 | 水輸送 | 壁孔 | ROP11 | 反応拡散モデル |
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