宮崎大学、理化学研究所、京都大学、滋賀医科大学、北海道大学は、国の天然記念物で絶滅危惧種のアマミトゲネズミからiPS細胞を樹立して、哺乳類進化の謎に迫り、種の完全絶滅に備えるiPS細胞の新しい活用法を提示した。アマミトゲネズミは、進化の過程でY染色体を失っており、極めて稀な性染色体構成をもつ(雌雄共にXO型)ため、ゲノムの雌雄差がほとんど見いだされていない。今回研究チームでは、屋外調査で得たメスのアマミトゲネズミ尾部先端の細胞からiPS細胞を樹立し、マウスとの異種間キメラ(別の遺伝情報をもつ細胞が混ざり合った状態の動物種)を作製した。絶滅危惧種の細胞を含む異種間キメラの成体や、その卵子・精子の作製に成功したのは世界で初めてとなる。さらに、メスの細胞から精子を生じさせることにも成功したことから、進化の過程でY染色体を喪失したアマミトゲネズミの細胞は、メスの細胞でも精子に変化できる能力を持っていることが判明した。また、種の完全絶滅を回避する手段としてiPS細胞の活用が有効であることも示唆されたという。
情報源 |
北海道大学 プレスリリース(PDF:1,295KB)
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機関 | 宮崎大学 理化学研究所 京都大学 滋賀医科大学 北海道大学 |
分野 |
自然環境 |
キーワード | 理化学研究所 | 京都大学 | 絶滅危惧種 | 北海道大学 | 天然記念物 | 宮崎大学 | iPS細胞 | 滋賀医科大学 | アマミトゲネズミ |
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