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 九大、ガ類を用いた環境モニタリング手法の有用性を提示

発表日:2019.07.25


  九州大学は、60年以上前の調査結果と照合・比較することで、ガ類群集の調査が環境モニタリング手法として有用であることが示唆されたと発表した。同大学の農学部附属彦山生物学実験施設は、福岡県と大分県との県境に位置する英彦山(彦山)の森林において、1936(昭和11)年から昆虫の相調査などに取り組んできた。2014年3月から10月にかけて、小型のブラックライトで昆虫を誘引・回収する「ライトトラップボックス法」という方法により、同地8ヶ所におけるガ類の調査を行い、438種6,276個体を採集した。今回の調査結果と60年以上前の生息状況調査の結果を比較したところ、幼虫時期にシカが食害する植物を食べるシャチホコガ科の数種が得らなかった一方で、シカの不嗜好植物を食べる種が多く得られたことが判明した。同地のガ類群集がシカ食害や台風被害などの影響を受けていることを示唆するとともに、ダメージを受けた自然環境の再生に向けた取組の契機となる知見が得られたという。

情報源 九州大学 研究成果(PDF)
機関 九州大学
分野 自然環境
キーワード 九州大学 | 環境モニタリング | シカ | ガ類 | 英彦山 | ライトトラップボックス法 | シャチホコガ科 | 食害
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