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 広大、サンゴ礁生態系における「褐虫藻ソース」解明の手がかりを発見

発表日:2019.07.30


  広島大学などの研究グループは、大型の二枚貝「シャコガイ」の糞が、サンゴ礁海域において「褐虫藻ソース」の役割を果たしていることを発見した。サンゴやシャコガイは褐虫藻の光合成生産物を主な栄養源としており、褐虫藻はサンゴ等の代謝により生じた二酸化炭素を光合成に使っている。シャコガイの全ての種と、サンゴの8割以上の種では、こうした共生関係を成体から幼生に受け継ぐことがないため、環境中の褐虫藻を取り込む仕組みが必要となるが、サンゴは消化され、光合成の活性を持たない褐虫藻しか放出しない。同研究グループはサンゴ礁生態系のミッシングリンクとされる「褐虫藻ソース」の解明に向けて、シャコガイ(ヒメジャコ)の成体が放出する大量の糞を観察し、消化を受けてない褐虫藻が多く含まれることを確認した。糞中の褐虫藻は光合成活性が高く、貝のなかで増え過ぎ、オーバーフローしたものと推定され、未破壊の糞を別のシャコガイ(ヒレジャコ)のふ化幼生に給与したところ、9日目に30%程度が褐虫藻を取り込み、14日目に約5%が共生を確立したという。

情報源 広島大学 研究成果
機関 広島大学
分野 自然環境
キーワード サンゴ礁 | 共生 | 光合成 | 広島大学 | 褐虫藻 | 褐虫藻ソース | シャコガイ | ヒメジャコ | ヒレジャコ
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