京都大学などの研究グループは、サンゴと共生関係にあるバクテリアが生合成している物質を特定し、同じく共生関係にある褐虫藻の離脱を抑え、白化・死滅を防ぐ効果を発現していることを明らかにした。サンゴの白化現象は、共生する褐虫藻の光合成系が機能不全となり、活性酸素種が過剰に出て、離脱することで起きると考えられている。同研究グループは、既にゲノム解読されているサンゴの一種「アザミサンゴ」から、褐虫藻を単離、培養し、共生バクテリアを特定した。また、この共生バクテリアは、抗酸化性を有すゼアキサンチンを生合成していることが明らかになった。一方、ゼアキサンチンを褐虫藻に投与したところ、活性酸素種の生産量が減少したことから、白化現象を防ぐことが出来ることが判明した。ゼアキサンチンは陸上植物にも多く見られ、生合成も可能であることから、今後、実地実験への移行が出来ることにより、海洋資源の保護に貢献できると考えられるという。
情報源 |
京都大学 研究成果
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機関 | 京都大学 東京大学 大阪府立大学 |
分野 |
自然環境 |
キーワード | 京都大学 | バクテリア | 共生 | サンゴ | 褐虫藻 | 白化現象 | 光合成系 | 活性酸素種 | アザミサンゴ | ゼアキサンチン |
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