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 基生研など、光に対する陸上植物と緑藻の共通メカニズムを解明

発表日:2019.09.24


  基礎生物学研究所、名古屋大学および高知大学は、植物において花芽の形成時期を制御する遺伝子が、緑藻の光防御反応を制御することを発見した。光防御反応は、光合成生物が持つ、強すぎる光から身を守る環境適応能力のこと。同研究グループは、これまで単細胞緑藻クラミドモナスにおいて、光防御を引き起こすLHCSR3タンパク質に注目してきた(Tokutsu and Minagawa et al., 2013)。20,000個体を超える遺伝子組み替え緑藻を調べたところ、強すぎる光のもとで死滅する4つの光防御変異体を単離することに成功した。この4つの光防御変異体は、1)光防御を担う遺伝子・タンパク質が十分に発現しておらず、その結果として光防御反応が正しく駆動していないこと、2)花芽の形成を誘導する遺伝子発現を直接的にコントロールする転写因子が破壊されていることが分かった。この結果により、緑藻の光防御反応には、花芽形成と共通する部分があることが分かっただけでなく、遺伝子系の進化において藻類が花作りのスイッチを制御する仕組みを獲得していたことが示唆されたという。

情報源 基礎生物学研究所 プレスリリース
名古屋大学 プレスリリース(PDF)
高知大学 インフォメーション
機関 基礎生物学研究所 名古屋大学 高知大学
分野 自然環境
キーワード 藻類 | 名古屋大学 | 適応 | 高知大学 | クラミドモナス | 基礎生物学研究所 | 光防御反応 | 単細胞緑藻 | LHCSR3 | 光防御変異体
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