明治大学とカリフォルニア工科大学などの共同研究チームは、ヒ素耐性を有する「線虫」を発見し、それらの培養・評価によるヒ素の解毒代謝メカニズム解明が期待できると発表した。同研究チームは、塩分濃度が海水の約3倍でヒ素に富み、生物の生存にとっては極めて厳しい環境である米国カリフォルニア州のモノ湖を調査した。この塩湖には2種類のハエと小型の甲殻類しか生息していないと考えられてきたが、今回、湖底や岸辺の土壌を採集した結果、未記載種5種を含む8種の「線虫」が確認された。これらの線虫は系統的に大きく離れており、各種もしくは祖先種はモノ湖に独立して定着したことが示唆された。Auanema sp.という種は培養できることが分かったため、ヒ素溶液に浸漬し、生存率を調べる実験を行った結果、同種のヒ素耐性は人間の約500倍に相当することが明らかとなった。一方、Auanema属線虫は「リン」が富む環境で見つかっており、ヒ素耐性が高い近縁種も見出されていることから、リンへの耐性がヒ素耐性に転用、付与された可能性が高いという。