森林総合研究所関西支所とノルウェーの研究者らは、昆虫に外部寄生し、毒成分を注入して宿主昆虫を死亡させる線虫を世界で初めて発見した。この線虫は、ノルウェーの森林で採集したタマバエの一種から検出された。口器が針の形をしており、昆虫体内に侵入せず、外部から毒成分を注入することで昆虫を殺生する。また、体液を吸う形で昆虫に寄生していることも確認された。DNA解析の結果、この線虫は他の線虫を捕食する線虫捕食線虫に近いことが確認され、昆虫殺生能力はこの捕食能力に由来するものと考えられた。──今後、このような線虫が日本でも発見されれば、害虫防除の新しい手法の開発につながる可能性がある。本成果は2025年2月5日にNematology誌でオンライン公開されている。