国立環境研究所は、保護区の選定の不完全さを補う、限られた生物分布データの効率的な活用方法について解析し、得られた知見を発表した。従来の保護区選定の基本情報となる生物の分布データは、調査範囲が限られ、調査地域が偏っているなどの理由から、十分でないとされている。このような背景から、生物が生息する確率を推定し、データを補完・補正する処理(分布推定モデル)を用いる処理が推奨されてきたが、モデル間において推定結果の誤差が課題とされていた。同研究グループは、仮想の生物の分布データと独自のシミュレーション方法を用いて、3つの分析モデル(一般化線形モデル、一般化加法モデル、ランダムフォレスト)を使用し、よりよい保護区選定が可能な条件を探った。その結果、1)保護区が広くない、2)調査地域の偏りが大きい、3)調査範囲が狭い~中程度の場合において、よりよい結果が得られたという。この研究成果は、保護区選定の際の基本情報の重要性を示すものであり、今後、保護区の選定技術の向上が期待されるという。