(独)国立科学博物館と福島大学の研究グループは、植物のおしば標本(押し葉標本、腊葉(さくよう)標本とも言う)の原形を損なうことなくDNAを抽出する方法を発表した。近年のDNA解析技術の進歩により、標本に残存するDNAを使った研究が注目されているが、DNA抽出には標本の一部を切り取るなど破壊することが避けられなかった。同研究グループは、緩衝溶液〔トリス塩酸バッファー(0.01M)、エチレンジアミン四酢酸(0.01M)、ドデシル硫酸ナトリウム(0.01%)、プロテイナーゼK(0.1 mg/ml)〕をおしば標本の表面に滴下・回収することで、標本の形態を変化させることなくDNAのみを抽出する手法を開発した。今回開発した手法は、標本の原形を維持したままDNAを抽出できるため、標本の情報を損なうことなく分子生物学研究への利用を可能とし、短時間・低コストで実施できることから、汎用的な植物DNA抽出法としての普及が期待できるという。
情報源 |
国立科学博物館 プレスリリース(PDF)
福島大学 プレスリリース(PDF) |
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機関 | 国立科学博物館 福島大学 |
分野 |
自然環境 環境総合 |
キーワード | 国立科学博物館 | DNA | 福島大学 | 標本 | DNA解析 | DNA抽出法 | おしば標本 | 緩衝溶液 | プロテイナーゼK | 分子生物学 |
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