東京農工大学と東京農業大学を中心とする国際共同研究チームは、日本の森林において、絶命したシカを多様な動物が採食していることを実証し、森林生態系における「腐肉」資源の増加により、動物の元来の食性が変化しつつあると指摘した。腐肉食に特化したハゲワシ類は、動物遺体の分解を通して生態系の維持などに関与しているが、顕著な腐肉食動物がいない日本では、こうした遺体消失プロセスの調査研究が十分行われていなかった。同研究チームは、2016年から2017年にかけて、栃木県内の森林内にシカの死骸を設置し、訪れる動物の様子を自動撮影カメラで記録することで、哺乳類6種、鳥類3種が腐肉を採食していることを明らかにした。哺乳類と鳥類を比べると、哺乳類のほうがシカの死骸に訪れる頻度は高く、とりわけツキノワグマとタヌキの頻度が高いことが分かり、ツキノワグマ、テン、クマタカは夏と秋の頻度に有意な差異(採食の季節性)が認められた。新たな森林生態系保全の在り方を示す知見であるという。
情報源 |
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東京農業大学 ニュースリリース |
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機関 | 東京農工大学 イリノイ大学 東京農業大学 |
分野 |
自然環境 |
キーワード | 森林 | ツキノワグマ | 東京農業大学 | 東京農工大学 | 森林生態系 | クマタカ | シカ | テン | タヌキ | 腐肉食動物 |
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