東京農工大学と東京農業大学による研究グループは、ツキノワグマの1年間のエネルギーの摂取と消費の収支(エネルギー収支)を解明し、得られた知見を発表した。エネルギー収支の正負は、体重の増減に直結し、栄養状態を評価することが可能である。同研究グループは、クマの成獣(34頭)にGPS受信機を装着し、1日あたりのエネルギー消費量を計算した。同時に、採取したクマの糞(1247個)・クマの採食映像(計133時間)から食べ物の種類と量を算出し、それらを乗じて1日あたりのエネルギー摂取量を求めた。得られたデータから、春から夏にかけてのエネルギー収支はマイナス・秋は大きくプラスであること(秋に1年間のエネルギーの80%を摂取)、どんぐりが凶作の年には、メスはエネルギー摂取量が減少し秋のエネルギー収支が低下することなどが明らかとなったという。さらに、ドングリの凶作年のクマの人里への出没は知られていたが、今回の研究により前年のドングリの凶作が、春・夏にクマが人里への出没に関係している可能性も考えられ、クマの科学的な保護管理に大きく貢献することが期待されるという。
情報源 |
東京農工大学 ニュース
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機関 | 東京農工大学 東京農業大学 |
分野 |
自然環境 |
キーワード | GPS | ツキノワグマ | 東京農業大学 | 東京農工大学 | 消費量 | 保護管理 | ドングリ | エネルギー収支 | 摂取量 | 出没 |
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