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 東京農工大など、人工光による外来カエル繁栄の可能性を実証

発表日:2020.04.20


  東京農工大学などの国際共同研究グループは、人工光が南米原産の外来種であるオオヒキガエル(学名:Rhinella marina)の夜間の捕食量を増大させることなどを実験的に明らかにした。オオヒキガエルは、農業害虫の駆除のためにハワイやオーストラリア、小笠原諸島や石垣島といった地域に導入されたが、期待された効果はなく、現在は捕食や毒によって在来種や生態系に深刻な影響を及ぼす有害な外来侵入生物と見られているとされる。同研究グループは、人工光は昆虫を誘引するため、捕食性のカエルにエサを提供していると着眼し、オーストラリアの熱帯乾燥林に6か所の大型ゲージ(4m×4m)を設置し、カエルを導入した実験を行った。その結果、人工光によりカエルの捕食量は増加し、その効果は月の満ち欠けや、地域の明るさにも影響されることが明らかとなった。この成果は、人工光が外来種に多量の餌資源を供給していることを示し、人工光を月齢周期や地域に合わせて柔軟に管理する事で、生態系への影響を抑えられる可能性が考えられるという。

情報源 東京農工大学 プレスリリース
機関 東京農工大学
分野 自然環境
キーワード 外来種 | 生態系 | 照明 | オーストラリア | カエル | 月齢周期 | オオヒキガエル | 捕食量 | 外来侵入生物 | 熱帯乾燥林
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