京都大学大学院理学研究科の木村氏と福山氏、慶應義塾大学の福山名誉教授の研究グループは、外来カエル類の鳴き声を自動で検出するAIモデルを開発した。このモデルは、もともと鳥類の研究で用いられていたBirdNETというディープラーニングのモデルを転用し、カエルの鳴き声を認識できるよう再訓練したものである。── 研究グループは先ず、沖縄県西表島および石垣島の6地点で約1年間にわたり野外録音を行い、カエルの鳴き声を含む音声データを収集した。次に、得られた190分間の録音データセットを用いて、もともと鳥類の研究で用いられていたBirdNETというディープラーニングのモデルを転用し、カエルの鳴き声を認識できるよう訓練した。さらに、外来カエル類の鳴き声を正確に検出できるようにするため、背景雑音がある中でも再訓練を行った。──一年間にわたり、様々な季節にスピーカーで鳴き声を流し、モデルの性能を評価した結果、背景雑音がある中でも沖縄県西表島に定着する危険性が高い2種の外来カエル(シロアゴガエルとオオヒキガエル)を鳴き声をほぼ正確に検出できることが確認できた。また、録音データの詳細解析を通じて、2種の外来カエルの繁殖期が明らかになり、音響モニタリングに効果的な季節が特定できた。──本成果を外来種調査の現場に導入し、より実践的な場面での有効性と課題を検討することが今後の課題だ。他の地域や生物種でも同様の自動検出モデルを作成できる可能性が期待される(掲載誌:Biological Invasions)。