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 長崎大など、ジンベエザメの体温安定性を実証

発表日:2020.06.02


  長崎大学、美ら海水族館および東京大学の研究グループは、実測データに基づいて、ジンベエザメの体温の安定性を解明した。一般に、体の大きい(熱容量が大きい)動物は体積に対する体表面積の比率が小さく、体温が変動しにくいと考えられている。同研究グループは、現存する世界最大の魚類「ジンベエザメ」に行動記録計と体温計を装着し、野外における体温(筋肉温度)を測定するとともに、文献調査を併用して多様な魚類の全身熱交換係数(HTC)と比較した。その結果、1)鉛直移動に際して水温が変化しても、体温はゆっくりとしか変化しないことや、2)体温の上限は海面水温と同等であることが確認され、3)代謝熱でなく外部環境に体温調節を依存する「外温性」の動物であることが分かり、4)冷却時のHTCは体重の-0.63乗に比例すること、すなわち身体が大きい魚ほどより体温が変化しにくくなることが示唆された。大きな体サイズに由来する体温安定性が、水温3〜4℃以下、水深1000 m超までの潜水能力を支えている可能性があるという。

情報源 長崎大学 学術情報一覧
機関 長崎大学 美ら海水族館 東京大学
分野 自然環境
キーワード 魚類 | 体積 | 体温 | ジンベエザメ | 熱容量 | 体表面積 | 行動記録計 | 体温計 | 全身熱交換係数 | 外温性
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