(国研)海洋研究開発機構(JAMSTEC)、神戸大学および国立環境研究所は、中国から排出されるブラックカーボン(BC)量が過去10年間に4割減少したと発表した。BCとは、化石燃料等の不完全燃焼によって大気中に排出される「すす粒子」のこと。今回、BCによる地球温暖化の促進が懸念され、正確な影響評価などが課題となっていることから、長崎県・福江島における大気成分の長期観測データを用いたBC排出量と推移の評価が行われた。信頼度の高い計測器による観測値の統合や、数値シミュレーションの併用により、気象変動の影響を取り除く工夫も加えた結果、高い精度での推定が可能となり、2009年から2019年の間に中国からのBC排出量が4割減少したことが明らかになった。IPCC第6次評価報告書(2021年公表予定)では、中国からのBC排出量は2014年まで増加傾向にあったものとして気候影響が評価される。今回得られた知見は、従来とは逆の減少傾向を明示するものであり、中国のPM2.5削減政策の再評価や、今後のシミュレーション改善・排出インベントリづくり等に資するという。
情報源 |
海洋研究開発機構 プレスリリース
神戸大学 研究ニュース 国立環境研究所 新着情報 |
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機関 | 海洋研究開発機構 神戸大学 国立環境研究所 |
分野 |
地球環境 大気環境 |
キーワード | 地球温暖化 | 中国 | 化石燃料 | 観測 | PM2.5 | ブラックカーボン | 数値シミュレーション | 福江島 | 不完全燃焼 | IPCC第6次評価報告書 |
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