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 東大など、新規セラミックスの特性を活かした熱利用システムを提案

発表日:2020.07.02


  東京大学、パナソニック(株)、東京工業大学および神奈川県立産業技術総合研究所の共同研究グループは、自動車用の蓄熱セラミックスなどに適した酸化チタン材料(Ohkoshi, S. et al., 2010, 2015, 2019)をベースとする低温排熱用の長期蓄熱セラミックスを見出した。同研究グループは、既往の酸化チタン材料の一部をアーク溶解法を用いて置換し、スカンジウム置換型ラムダ五酸化三チタンからなる新規セラミックスを合成した。高度な構造回折測定や観察により、新規セラミックスの結晶構造は1年後も変化しないことが確認され、圧力を印加するとラムダ型構造からベータ型構造への相転移が起きることが分かった。加圧した試料の吸熱特性を調べたところ、67℃で明瞭な吸熱ピークを示すことや、相転移の再現性が確認された。これらの評価結果や、圧力をかけるまで蓄えられたエネルギーを放出しないという物性を活かすことで、火力発電所や原子力発電所で生じる100℃以下の熱水を長期にわたり、自在に活用する熱エネルギーリサイクルシステムへの応用展開が期待できるという。

情報源 東京大学大学院理学系研究科・理学部 プレスリリース
機関 東京大学 パナソニック(株) 東京工業大学 神奈川県立産業技術総合研究所
分野 環境総合
キーワード 自動車 | 酸化チタン | 発電所 | 蓄熱 | セラミックス | 熱水 | スカンジウム | アーク溶解法 | ラムダ五酸化三チタン | 熱エネルギーリサイクルシステム
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