基生研、サンゴ幼生の光応答的な遊泳行動パターンを解明

発表日:2020.10.19

基礎生物学研究所を中心とする研究グループは、サンゴの幼生が光環境の変化に応じて遊泳を一時停止することを実証した。サンゴの幼生(プラヌラ)は遊泳能を持ち、光環境に応じて着底、生息する場所を決めていると考えられてきたが、眼のような光受容器を持っていない。同研究グループは、幼生の光受容メカニズム解明に向けて、造礁サンゴの一種であるウスエダミドリイシの幼生の行動をさまざまな光条件の下で観察した。その結果、「光強度の低下(明暗の切替)」を契機として幼生の遊泳速度が低下し、暗い状態にあっても約120秒後に遊泳を再開することが分かった。また、光を切り替えた直後の相対的な遊泳速度(基準:明るい時の遊泳速度)を指標として、波長(色)ごとに光の感受性を調べたところ、長波長(オレンジ〜赤色)や紫外光の感受性は低く、400–500 nm(紫〜青色光)の感受性が高いことが分かった。数理シミュレーションも行い、こうした行動による海洋環境における個体密度の偏り、群体形成への関与が示唆されたという。

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