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 OISTなど、サンゴ研究の深化・加速につながる技術を確立

発表日:2021.04.26


  沖縄科学技術大学院大学(OIST)と高知大学の研究グループは、初夏の満月に一斉産卵することで知られている造礁サンゴの一種「ウスエダミドリイシ」の「細胞株(Cell Line)」を樹立した。ヒトの生体組織検査をはじめ、生体組織から細胞を採取して培養・保存・評価する技術が普及している。生命科学分野では初代の細胞を安定的に分裂・増殖させる技術が求められているが、海洋生物、とりわけサンゴについては細胞の株化が困難であった。同研究グループは、同種の幼生を溶液処理して単離した細胞を、サンゴ用に考案した培地で培養し、添加剤を加えることで、色や形、遺伝子活性などが異なる8つの細胞型に成長させることに成功した。また、それらの細胞のうち7種は10カ月以上にわたって増殖し続け、凍結保存後も生存していることが確認された。得られた細胞株のRNAを分析したところ、いくつかの細胞型は初代細胞の内胚葉と類似点が多く、サンゴと光合成を行う共生藻類との相互作用や白化現象の解明につながる研究などへの活用可能性が見えてきたという。

情報源 沖縄科学技術大学院大学 News
機関 沖縄科学技術大学院大学 高知大学
分野 自然環境
キーワード RNA | 白化現象 | ウスエダミドリイシ | 共生藻類 | サンゴ幼生 | 細胞株 | Cell Line | 細胞型 | 凍結保存 | 内胚葉
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