筑波大学は、国立遺伝学研究所、スウェーデン・カロリンスカ研究所、首都大学東京および島根大学との共同研究により、褐虫藻が共生する過程におけるサンゴ細胞内の遺伝子発現変動を解明した。造礁サンゴの細胞内には「褐虫藻」という単細胞藻類が共生しており、ストレスを受けたサンゴが褐虫藻を放出し、白い骨格のみとなる「白化現象」が問題視されている。同研究グループは、実験室内でウスエダミドリイシというサンゴの一種を飼育し、共生可能な褐虫藻を発生させ、安定的に増加する状態を創出してサンゴ側の遺伝子発現解析を行った。その結果、褐虫藻が増加する過程において1)免疫系の一部と消化酵素に関わる遺伝子発現が低下する一方で、2)糖代謝、アミノ酸代謝、グルタミン酸などの代謝系の発現が上昇することが解明された。分子レベルのアプローチを試みたことで、サンゴと褐虫藻の共生関係の解明、ひいてはサンゴの白化からの回復手法の検討に資する知見やデータが得られたという。
情報源 |
筑波大学 注目の研究
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機関 | 筑波大学 |
分野 |
自然環境 |
キーワード | 首都大学東京 | 筑波大学 | 造礁サンゴ | 褐虫藻 | 国立遺伝学研究所 | 島根大学 | 白化現象 | カロリンスカ研究所 | 遺伝子発現変動 | ウスエダミドリイシ |
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