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 森林総研など、堤防設置等による生物多様性への影響を発表

発表日:2020.10.30


  森林研究・整備機構森林総合研究所と国立科学博物館の研究者は、堤防設置などによる「後砂丘」消失が、生物多様性へ与える影響について発表した。海域と陸域の境界に位置する海浜生態系は、森-川-海の相互作用で形成され、生物多様性が高く、重要な生態系機能を担っている。しかし、海浜において海から少し離れ、海浜性の矮性(わいせい)低木が優先する「後砂丘」は、近年の津波対策のための堤防設置などにより急速に消失していると考えられている。今回、茨城県内の後砂丘の残る海浜と後砂丘が消失した海浜それぞれ3地点を対象に植物および生態系機能を担うハチ類の調査を行った。海浜性の在来植物の種数は後砂丘の残る海浜で高い傾向にあり、また、ハチ類の種数は在来植物の種数の増加にともなって増えることが分かった。この結果は、堤防設置などによる後砂丘の消失が、海浜生態系の植物種多様性の低下とそれに伴う生態系機能の低下を招いていることを示すという。

情報源 森林研究・整備機構森林総合研究所 研究紹介
機関 森林研究・整備機構森林総合研究所 国立科学博物館
分野 自然環境
キーワード 生物多様性 | 森林総合研究所 | 国立科学博物館 | 在来植物 | 堤防 | 津波対策 | 後砂丘 | 海浜生態系 | 矮性低木 | ハチ類
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