森林総合研究所は、国立環境研究所、国立科学博物館との共同研究で、小笠原諸島のヒヨドリの亜種の起源を解明したと発表した。小笠原諸島は生物進化の見本となる生態系を持つ場所として世界自然遺産に登録されており、ヒヨドリ等の固有の亜種が生息している。今回、これらの亜種の起源と諸島内の集団の関係をDNA分析した結果、ヒヨドリには起源を異にする二つの集団があり、小笠原諸島北部の小笠原群島に生息するオガサワラヒヨドリは沖縄県南部に位置する八重山諸島を起源とし、小笠原諸島南部の火山列島にいるハシブトヒヨドリは本州または伊豆諸島を起源とすることが明らかとなった。また、南硫黄島(火山列島)のイオウトウメジロは、隣の硫黄島の集団とはすでに交流がないこともわかった。このようなことから、本来は移動性の強い広域分布種のヒヨドリやメジロであっても、島に定着してからは移動性が低下してしまい、他の島や列島との交流が失われたことが示唆された。今回の成果は、世界自然遺産としての小笠原の固有種がどのように作られてきたのかを示すものである。
情報源 |
森林総合研究所 プレスリリース
森林総合研究所 プレスリリース(PDF) |
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機関 | 森林総合研究所 国立環境研究所 国立科学博物館 |
分野 |
自然環境 |
キーワード | 小笠原諸島 | 生態系 | 国立環境研究所 | 森林総合研究所 | 固有種 | 国立科学博物館 | 生息 | ヒヨドリ | メジロ |
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