東京大学などの研究グループは、河川の捕食魚の餌資源として、雨の日やその後に土壌中から地表へ這い出て川へ入ってくるミミズの重要性を示した。同研究グループは、利根川下流域の汽水〜淡水域(4水域・計15カ所)で、捕食魚であるニホンウナギを採集し、ウナギがミミズを食べている割合を調べた。その結果、ミミズは、淡水2水域のウナギの胃から確認され、全長40cm以下のウナギにおいては餌の68–93%を占めていた。炭素・窒素安定同位体分析でも、高いミミズへの寄与率(推定約50%)が確認された。一方、統計モデルによりミミズの捕食は、降雨後2日以内・年3シーズンに見られることから、降雨でミミズの流入が短期的に集中して起こり、大型河川の下流域でもミミズへの依存が高まっていると考えられた。この捕食は、川岸に植生や土が残る調査地点に生息するウナギのみで確認され、コンクリート護岸に覆われた地点のウナギの胃からは見られなかったことから、コンクリート護岸はミミズの供給を阻んでいる可能性があるという。
情報源 |
東京大学大気海洋研究所 研究成果
神戸大学 研究ニュース |
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機関 | 東京大学 メリーランド大学 水産・研究教育機構 |
分野 |
自然環境 |
キーワード | 東京大学 | 河川 | 降雨 | 植生 | ミミズ | ニホンウナギ | 捕食魚 | 利根川 | 炭素・窒素安定同位体分析 | コンクリート護岸 |
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