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 京大、森林の多様性を決める昆虫・微生物の役割を解明

発表日:2021.02.22


  京都大学は、樹木の実生(みしょう;芽生え)と植食性昆虫・土壌微生物の関係を実験的に検証した。実生の段階を経て、生き抜き、成長した個体が次世代の森林を担っている。同大学は、樹木が定着場所の環境や周囲の生物相を変化させ、追随する実生の成長や生存に影響する現象(以下「生態的フィードバック」)の存在を見出していた。今回、温帯林の菌根性タイプ(アーバスキュラー菌根性/外生菌根性)ごとに、京都の代表的な森林構成を4種選び、低温殺菌した用土を加え、苗木を定植した合計8種の実験区(1.2 m四方)を設置し、別に栽培した実生を移植する実験を行った。1年半後に2回の成長期を経た実生を収穫し、植食性昆虫等の影響を反映する形質を測定したところ、植食性昆虫は樹種の違い、土壌菌は菌根タイプの違いと結びついた生態系フィードバックを引き起こすことが明らかになった。森林の多様性において地上と地下における生物(生物相)と植物のネットワークが鍵を握っていることを、初めて示した生態系レベルの実証成果であるという。

情報源 京都大学 最新の研究成果を知る
機関 京都大学
分野 自然環境
キーワード 生物相 | 温帯林 | 実生 | みしょう | 植食性昆虫 | 土壌微生物 | 生態的フィードバック | 菌根性タイプ | 成長形質 | 森林の多様性
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