国内ニュース


 北大など、オホーツク海における春季植物プランクトン大増殖の規模と重要因子を解明

発表日:2021.03.29


  北海道大学を中心とする研究グループは、オホーツク海で「春に起きる植物プランクトンの爆発的な増殖(春季ブルーム)」の規模を定量的に評価し、海氷融解の関与を実証した。春季ブルームは海の色が変わるほどの現象で、植物プランクトンの光合成活動が背景にあることから、人工衛星で表層のクロロフィル濃度を測定する取組が行われている。同研究グループは、これまでに得ることが難しかった海氷融解時の海洋内部の観測データを、溶存酸素センサーが装備され、海氷を検知して潜航・浮上するフロートを用いて取得することに成功した(調査期間:2007~2019年)。このフロートを用いて5~10日サイクルで酸素の鉛直プロファイルを測定し、酸素量の変動から「正味の生物生産量」を見積もった結果、同海域で起きている春季ブルームは南大洋氷縁域に匹敵する規模であることが分かった。また、春季ブルーム期(3月下旬~5月中旬)の特徴として知られている日射量・水温上昇、海水の密度差・成層構造などに加え、海氷が融解するときに放出される「鉄分」の影響が示唆されたという。

情報源 北海道大学 TOPICS
機関 北海道大学
分野 自然環境
キーワード 植物プランクトン | クロロフィル濃度 | 海氷融解 | 春季ブルーム | 光合成活動 | 溶存酸素センサー | フロート | 鉛直プロファイル | 正味の生物生産量 | 南大洋氷縁域
関連ニュース

関連する環境技術