京都大学と琉球大学の研究グループは、マングローブ林の主要構成種「ヤエヤマヒルギ属」が今日の分布域を形成するに至った過程を解明した。世界の熱帯・亜熱帯沿岸域に広がるマングローブ林は、インド洋-西太平洋(IWP)と大西洋-東太平洋(AEP)において種組成が異なっている。同研究グループは、同種の全球的な分布と分化の全容解明に向けて、20ヶ国のマングローブ林を10年以上調査し、分布域全体から採取した試料を用いて詳細な系統解析を行った。その結果、IWPのグループとAEPのグループは約1,100万年前に大西洋とインド洋の間(以下「同海域」)で分岐したことが分かった。大陸移動や気候変動に関する知見を考慮すると、IWPとAEPは同海域で「分断」され、この時代に存在していたとされる「テチス海」の消滅により分化、繁栄・多様化したことが示唆された。一方、南北アメリカに分布する近縁種が南太平洋の島嶼域で見られることから、海流による種子散布によって地球を一回りし、IWPとAEPが交雑するに至ったプロセスも見えてきたという。
情報源 |
京都大学 Latest research news
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機関 | 京都大学 琉球大学 |
分野 |
地球環境 自然環境 |
キーワード | 気候変動 | 南太平洋 | 交雑 | 系統解析 | マングローブ林 | ヤエヤマヒルギ属 | 熱帯・亜熱帯 | 大陸移動 | テチス海 | 海流散布 |
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