名古屋工業大学は、「水酸アパタイト(HAp)」に揮発性有機化合物(VOC)を除去する機能を付与する技術を開発した。人間の歯はHApの結晶で出来ており、HApを焼き固めたアパタイトセラミックス製の義歯や人工骨が広く活用されている。一方、光化学大気汚染の原因物質と見られ、発がん性が指摘されているVOCについては、排出抑制とともに、工場の排出口等における除去技術の導入が試行されている。同大学・先進セラミックス研究センターは、VOC除去技術の一手法「触媒酸化法」における貴金属フリー触媒の実用化を目指して、身近な量産型セラミックスであるHApのメカノケミカル処理に関する検証や、処理後の表面活性を評価した。その結果、大気・室温下でボールミルによって粉体のサイズを調整・充填する処理を行うだけで、HApの結晶構造や表面化学構造を制御できることが見出され、VOCを選択的・安定的に酸化分解できることが明らかになった。貴金属触媒の代替や経口毒性の払拭はもとより、さまざまな環境浄化分野における低コスト機能性触媒としての活用が期待できるという。
情報源 |
名古屋工業大学 プレスリリース
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機関 | 名古屋工業大学 |
分野 |
大気環境 |
キーワード | VOC | 発がん性 | 水酸アパタイト | 義歯 | 人工骨 | 先進セラミックス研究センター | 触媒酸化法 | 貴金属フリー触媒 | メカノケミカル処理 | ボールミル |
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