国内ニュース


 雲エアロゾル放射ミッション「EarthCARE」、順調にローンチ!

発表日:2024.05.30


  欧州宇宙機関(ESA)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、EarthCARE衛星が地球周回軌道上に無事投入され、安全かつ順調な運用に移行したと報じた。EarthCAREは5月29日7時20分(日本標準時)、米国カリフォルニア州のヴァンデンバーグ宇宙軍基地からSpaceX社のFalcon 9ロケットによって打ち上げられた。このミッションは、ESAとJAXAが共同で地球観測衛星を開発する初めての試みであり、気候変動予測の精度向上に貢献することを目指している。気候変動予測(シミュレーション)においては、自然現象をいかに正確に反映するかが重要である。しかし、人類は地球大気で起きている自然現象をすべて把握しておらず、現状の予測結果には「不確実性」が存在する。この不確実性の要因の中で、特に影響が大きいとされるのが大気中の放射収支における「雲やエアロゾル」の効果である。本ミッションでは、搭載された4つのセンサー(雲プロファイリングレーダー、大気ライダー、多波長イメジャー、および広帯域放射収支計)を用いて、これまで十分に観測されてこなかった鉛直方向の雲粒やエアロゾルの分布、雲粒の上昇・下降速度の計測などを行う。これにより、雲やエアロゾルとそれらの相互作用による放射収支メカニズムを解明し、気候変動予測の精度向上(不確実性の低減)を図ることを目指している。打ち上げ翌日の5月30日10時14分(日本標準時)、雲プロファイリングレーダー(CPR: Cloud Profiling Radar)の一部である反射鏡が正常に展開されたことを示すテレメトリーデータを南極の地上システムで受信した。ESAは開発チームの努力を称賛し、JAXAは特設サイトでホットトピックスや関連動画などを継続的に紹介していくようだ。

情報源 宇宙航空研究開発機構(JAXA) プレスリリース(主反射鏡の展開結果)
宇宙航空研究開発機構(JAXA) プレスリリース(打上げ結果)
欧州宇宙機関(ESA) ENABLING & SUPPORT(29/05/2024)
欧州宇宙機関(ESA) ENABLING & SUPPORT(05/06/2024)
機関 宇宙航空研究開発機構(JAXA) 欧州宇宙機関(ESA)
分野 地球環境
大気環境
キーワード 気候変動予測 | EarthCARE衛星 | 地球周回軌道 | Falcon 9ロケット | 雲プロファイリングレーダー | 大気ライダー | 多波長イメジャー | 広帯域放射収支計 | エアロゾル効果 | 放射収支メカニズム
関連ニュース

関連する環境技術