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 北大など、シカ個体群が自然調節されたと思われる国内事例を報告

発表日:2021.05.21


  北海道大学などの研究グループは、ニホンジカの亜種「ヤクシカ」は自然減少した可能性が高いと発表した。同種は、捕食者が存在しない屋久島で進化した小型のシカで、食害の軽減などを目的とする個体数管理(駆除)の対象となっている。同研究グループは、捕獲圧にさらされていないシカ個体群の実態を調べるために、2001年から2018年の間、毎夏、屋久島西部の世界遺産登録地内でヤクシカの頭数や移動(移出)状況を継続的に踏査した。その結果、50年間捕獲が行われていなかった区域であるにもかかわらず、2001~2014年に増加傾向にあったヤクシカが2014年以降に減少傾向(マイナス15.2%)に転じたことが明らかになった。調査区域外に移出したヤクシカの割合は低く、2016年以降に不審死するシカや複数の死亡個体が観察されていたことから、主な減少要因は自然減少(死亡)であることが示唆された。アメリカの国立公園では自然生態系の調節機能を活かした野生動物の管理手法(ナチュラル・レギュレーション)が適用されており、本邦でもその導入可能性を検討する必要があるという。

情報源 北海道大学 研究発表
機関 北海道大学 京都大学野生動物研究センター
分野 自然環境
キーワード 屋久島 | 駆除 | ニホンジカ | 捕獲圧 | 個体数管理 | ヤクシカ | 世界遺産登録地 | 自然減少 | 自然生態系の調節機能 | ナチュラル・レギュレーション
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