総合地球環境学研究所と海洋研究開発機構、本邦およびインドの大学・研究機関からなる研究チームは、インド北部・デリー周辺における人為起源NOxの排出特性を解明した。コロナ禍に伴い、インドの大都市では段階的なロックダウンが進められた。一方、ロックダウンが始まってから、それまで深刻化していた大気汚染が改善されたといった事例が数多く報告されている。同研究チームは、デリーの大気汚染に関するプロジェクト研究の一環として、先ず数年にわたる季節的・年次的な衛星データを用いて定常状態の大気濃度に基づく大まかなレベル予測を行い、次いでNOx排出量と化学的分解・輸送効果による消滅量が等しいとする連続方程式を導入して推定を行った。その結果、同期間の急激なNOx低下は、風の流れ等では説明できない現象であり、都市部ではNOx排出量の72%以上が人為的活動に由来していることや、近郊農村部では藁焼きが多大かつ鋭敏な影響をおよぼすことが明らかになった。この研究で求められたトップダウン推定による排出量推定の結果は、個々の排出源(自動車、工場等)を考慮した「ボトムアップ排出量」推定の改善に繋がり、さらには、環境政策の決定に影響をおよぼす可能性があるという。
情報源 |
総合地球環境学研究所 リリース
(国研)海洋研究開発機構 プレスリリース 東北大学 大学院理学研究科・理学部 プレスリリース 神戸大学 研究ニュース 東京大学生産技術研究所 プレスリリース |
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機関 | 総合地球環境学研究所 (国研)海洋研究開発機構 東北大学 大学院理学研究科・理学部 神戸大学 東京大学大気海洋研究所 |
分野 |
大気環境 |
キーワード | 大気汚染 | デリー | コロナ禍 | ロックダウン | 藁焼き | 人為起源NOx | 連続方程式 | 人為的活動 | トップダウン推定 | ボトムアップ排出量 |
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