(独)国際協力機構(JICA)は、有機廃棄物を用いて昆虫飼料・有機肥料等を製造する事業を展開するケニアの企業・Sanergy, Inc.(以下「サナジー」)に対して、250万米ドルの投資を実行した。今回の投資は、世界22か所以上にオフィスを持つグローバルな投資運用会社Axa Investment Managersの投資プラットフォーム(運用資産:1,630億ユーロ)のうち、経済的利益とともに測定可能で有益な社会的または環境的影響を生み出すことを目的として造成された「インパクト投資ファンド」の投資家らと協調して行われる。ケニアの首都ナイロビは人口が著しく増加しており、廃棄物の発生量の増加や処理施設のひっ迫、下水システムの整備率の低さに由来する住民の保健や水・衛生への影響が懸念されている。また、ケニアでは農林水産業がGDPの約30%を占めており、全労働人口の約40%が従事している。サナジーのビジネスモデルは、ケニアのみならず世界のタンパク質源の確保にとっても意義のあるもので、飼料等の製造に使用されているアメリカミズアブは量産化が見込まれ、2020年から2030年にかけて年平均成長率34.7%で市場規模の拡大が期待できるという。