農研機構と東京大学の研究グループは、飼料用昆虫である「アメリカミズアブの幼虫」にアミノ酸を高濃度に蓄積させる技術を開発した。ミズアブ幼虫は食品残渣や農業残渣を摂食して成長し、新たなタンパク質源として注目されているが、必須アミノ酸であるヒスチジンやメチオニンが不足している。研究グループは、アミノ酸の排出機能を担う遺伝子HiNATtの発現を抑制することで、体内のアミノ酸総量を1.8倍に、ヒスチジンとメチオニンを2.5倍以上に増加させることに成功した。この成果により、ミズアブ幼虫を飼料として利用する価値が高まり、国内で新たなタンパク質源の確保が可能となる。