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 琉球大、深場に広がるサンゴ礁の概要を周知・啓発

発表日:2021.11.29


  琉球大学は、直接目視することが困難で海図に明記されていないことが多い、水深30~40 m以深のサンゴ礁(以下「深場サンゴ礁」)の多様性を明らかにし、保全に向けた課題を指摘した。サンゴ礁は浅場やスクーバダイビングできる範囲を超えて分布している。同大学は1960年代から光が弱い深場サンゴ生態系(Mesophotic Coral Ecosystems)の研究に取り組み、沖縄県・瀬底島(せそこじま)周辺における深場サンゴ礁の定点モニタリング等を実施している。近年では、水深80 m付近に多様なサンゴ種がパッチ状に分布していることや、大規模な白化によって浅場から姿を消したトゲサンゴの群落が存在していることを明らかにしている(Sinniger F, &Harii S., 2018)。先行研究では、深場サンゴ礁が一部サンゴ種の避難地となっている可能性や、船舶の投錨によるサンゴ礁の被害が示唆された。今回、スクーバ潜水(水深40 mまで)と船上からカメラ付き方形枠を沈める詳細調査を行った結果、水深70~80 mに多様なサンゴが独特の群集パターンで生息していることが明らかになった。また、水深50~60 m前後に特定の種が優占する海域が見つかった。その海域は、複数の船舶の投錨地として利用されている。深場サンゴ礁の生物多様性への理解促進と港湾・海運の関係者における情報共有が喫緊の課題であり、沿岸管理計画の策定等において考慮すべき知見であると述べている。

情報源 琉球大学 研究成果
機関 琉球大学 琉球大学熱帯生物圏研究センター
分野 自然環境
キーワード アンカー | 瀬底島 | 深場サンゴ礁 | 深場サンゴ生態系 | Mesophotic Coral Ecosystems | トゲサンゴ | スクーバ潜水 | カメラ付き方形枠 | 群集パターン | 投錨
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