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 琉球大など、産卵時期を変えて種分化したサンゴの実例を提示

発表日:2020.11.04


  琉球大学と宮崎大学の研究チームは、「産卵日の違い」がサンゴの種分化を誘導していることを明らかにした。沖縄県・本部半島の西方沖約600 mに位置する「瀬底島」周辺には20種類以上のミドリイシ属サンゴが生息しており、多くの種が6月に同調し、産卵する。同研究チームは、継続的な海中観察を通じて、「ヤッコミドリイシ」という種が他種と異なる8月・9月に産卵し、形態が異なる群体が生息していることを見出していた。今回、それらの2つの形態型(細枝型/太枝型)について、DNAを用いた分子系統学的・集団遺伝学的な調査分析を行った結果、2型間で受精は起きているが遺伝構造は独立していること、すなわち別種であることが判明した。また、太枝型はどの種も当てはまらないためヤッコミドリイシの隠蔽種(同種として扱われていたが、別種として扱うべきグループ)であることも分かった。産卵時期の変化、さらには産卵日が重ならず(交雑が起きにくい)といった変動が、サンゴが多様性に富む理由のひとつであることを示唆しているという。

情報源 琉球大学 お知らせ
機関 琉球大学 宮崎大学
分野 自然環境
キーワード サンゴ | 種分化 | 宮崎大学 | 琉球大学 | 分子系統学 | 瀬底島 | 隠蔽種 | 産卵日 | ヤッコミドリイシ | 集団遺伝学
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