(国研)海洋研究開発機構(JAMSTEC)とオーストリア・グラーツ大学の研究グループは、紅藻「サンゴモ」の簡便な分類を可能とする形態的な特徴(分類形質)を見出した。サンゴモは世界各地の海岸に分布しているが、種の同定が難しい海洋生物のひとつと見られている。同研究グループは、サンゴモが細胞外に炭酸カルシウムを沈着することにより石灰化して硬くなる骨格形成メカニズムに着目した。今回、沖縄県瀬底島を含む11地点から15種のサンゴモを採取し、骨格の表面(上皮細胞の周辺)を電子顕微鏡で観察した結果、炭酸カルシウムの沈着時にできるナノスケール結晶の構造が8つに区分できることが分かった。一方、生殖器の違い、細胞壁のタイプ、そして今回の知見を加えた系統樹を作成し、既報のDNA塩基配列に基づく系統樹と比較したところ、2つの系統樹はよく一致しており、細胞レベルの微細構造が進化系統を反映していることが示された。沿岸海洋生態系への環境影響評価における基礎データ取得への貢献が期待できるという。
情報源 |
(国研)海洋研究開発機構 プレスリリース
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機関 | (国研)海洋研究開発機構 オーストリア・グラーツ大学 |
分野 |
自然環境 |
キーワード | 環境影響評価 | 炭酸カルシウム | 海洋生態系 | JAMSTEC | 系統樹 | サンゴモ | 骨格形成 | 瀬底島 | 電子顕微鏡 | DNA塩基配列 |
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