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 清水、中・大規模施設向け水素エネルギー利用システムのメリットを訴求

発表日:2021.12.24


  清水建設(株)は、「建物附帯型水素エネルギー利用システム(Hydro Q-BiC)」のCO2削減効果を定量的に評価し、汎用的な蓄エネルギーシステムであることを実証した。Hydro Q-BiCは、同社と産業技術総合研究所(以下「産総研」)が共同開発した「水素エネルギー蓄電設備」で、太陽光発電の余剰電力を利用して水素を製造し、独自のTi-Fe系水素吸蔵合金を用いて水素を貯蔵しつつ、必要に応じて電力に変換する仕組みとなっている。両者は先ず、産総研の福島再生可能エネルギー研究所(FREA)内に延床1,000 m2程度の建物利用に特化したHydro Q-BiCの実証システムを構築し、2017年6月から2019年3月にかけて清水建設(株)が開発したBEMSによるエネルギー(電力と熱)の最適管理に関する実証を行った。次に郡山市総合地方卸売市場管理・関連店舗棟(延床面積:4,310m2、電力需要:100kW)に実装し、2019年7月よりスケールアップ時の課題抽出などに取り組んできた。今回、郡山市内における2年間の連続運用を通じて、燃料電池発電と蓄電池からの放電を太陽光パネルの発電に上乗せする供給することで電力由来の年間CO2排出量を約53%削減(Hydro Q-BiC未導入時比)できることが確認された。一方、FREAで製造したCO2フリー水素の輸送・充填試験も実施し、定格100 Nm3の水素充填を1時間程度で完了できること、すなわち離れた製造場所から持ち込まれた水素をHydro Q-BiCで蓄エネルギーできることが分かった。2021年5月に竣工した清水建設(株)北陸支店にはHydro Q-BiCの実用モデルシステムが既に実装されており、導入コストの縮減を図りつつ、適用案件の拡大につなげていくという。

情報源 清水建設(株) ニュースリリース
機関 清水建設(株) (国研)産業技術総合研究所
分野 環境総合
キーワード 太陽光発電 | BEMS | 実用化 | 蓄エネルギー | CO2フリー水素 | 福島再生可能エネルギー研究所 | 水素吸蔵合金 | Hydro Q-BiC | 水素エネルギー蓄電設備 | 郡山市総合地方卸売市場
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