良品計画とJERAは、共同出資により再生可能エネルギー発電事業を担う特別目的会社「合同会社MUJI ENERGY(ムジエナジー)」を設立することに合意した。MUJI ENERGYは、太陽光発電による電力と環境価値の創出を目的とし、JERAの子会社であるJERA Crossを通じて、環境価値を良品計画に供給するスキームを構築する。
本プロジェクトは、環境配慮型の発電事業と、バーチャルPPA(Power Purchase Agreement)による環境価値の取引を組み合わせたものである。バーチャルPPAとは、再生可能エネルギー由来の電力のうち、環境価値のみを長期的に取引する契約形態であり、追加性のあるCO2削減効果が期待されている。
MUJI ENERGYでは、設立から1年以内に、良品計画の年間電力使用量の約20%に相当する約13MW規模の太陽光発電設備を開発する(CO2排出量削減見込み:年間約8,000トン)。発電された電力は日本卸電力取引所(JEPX)に供給され、環境価値は全量を良品計画が取得し、無印良品の店舗における電力消費のCO2削減に活用される予定だ。──良品計画は、2030年までにグループ全体の温室効果ガス排出量を2021年比で50%削減する目標を掲げており、これまでにも店舗への太陽光パネル設置や再生可能エネルギーメニューへの切り替えを進めてきた。今回の発電事業会社設立は、自然環境や地域住民への配慮を踏まえた設備用地の選定を可能にするための施策である。一方、JERAは「JERAゼロエミッション2050」を掲げ、再生可能エネルギーとゼロエミッション火力によるCO2排出ゼロを目指している。JERA Crossは、企業のグリーントランスフォーメーション(GX)を支援する専門会社として、24/7カーボンフリー電力の提供やGX戦略の策定支援を行っている。
「24/7カーボンフリー電力」とは、年間365日、毎日24時間にわたりCO2を排出しない電力を供給する取り組みであり、経済産業省の「電力の小売営業に関する指針」に基づいて、需要電力量の100%をゼロエミッション電源(再生可能エネルギー発電設備や水素発電設備など)で構成し、非化石証書による環境価値を付加するものである。ただし、燃料の製造・輸送などのライフサイクル全体でのCO2排出ゼロを保証するものではない。
MUJI ENERGYの設立は、企業間連携による再生可能エネルギーの導入促進と、持続可能な社会の実現に向けたモデルスキームとして注目されるだろう。
情報源 |
良品計画 ニュースリリース
JERA プレスリリース JERA Cross NEWS |
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機関 | (株)良品計画 (株)JERA (株)JERA Cross |
分野 |
環境総合 |
キーワード | 再生可能エネルギー | 太陽光発電 | カーボンニュートラル | 環境価値 | CO2排出量削減 | ESG経営 | バーチャルPPA | GX戦略 | 24/7カーボンフリー電力 | 卸電力取引所 |
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