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 NEDO、次世代ファインセラミックス関連技術でCO2の大幅削減を志向

発表日:2022.05.27


  新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、「次世代ファインセラミックス製造プロセスの基盤構築・応用開発(事業期間:2022~2026年度、事業規模:55.9億円)」に着手した。Society 5.0の実現に向けて、ポスト5G・6G通信分野などでハードウエアの中核となるデジタル機器の小型化や高性能化、高信頼化の要望が高まっている。現在、デジタル機器の安定作動を支えるファインセラミックス電子部品や、その製造に関わるエンジニアリングセラミックス部品など、幅広い分野で使われている日本のファインセラミックス部品は世界市場の約4割を占めている。今後、エネルギー・IoT分野や医療・ヘルスケア分野でのデジタル化においても市場の拡大が見込まれており、海外の技術的な追い上げを許さない高い産業競争力と世界シェアの確保が課題となっている。ファインセラミックスは、製造プロセスのうち原料粉末の成形・焼成過程で、微構造などの形体や混合状態などの質が変化するが、それらの情報は製品にほとんど残らない。そのため、製品の構造を分析し製造方法を調査する「リバースエンジニアリング」が困難であり、ノウハウをブラックボックス化できることが当該技術の強みとなる。一方、最適なプロセス条件の設計は、未だ「経験と勘」や「製造プロセス間の人的なすり合わせ」に頼っている部分が多く、それが開発期間の長期化の一因となっていた。同事業では、一企業では困難な、ファインセラミックスの一連の工程を対象とした製造プロセス技術と計算科学の融合・連携により、ファインセラミックスのプロセス・インフォマティクス技術を確立するとともに、これらの技術を活用する企業が、幅広く製品開発に適用できるよう支援する。これにより「次世代ファインセラミックス」の実用化を加速し、2035年にはファインセラミックスの出荷額を2019年比で約1兆円の増加につなげ、ファインセラミックス産業の競争力強化を目指す。従来よりも大幅に低い焼成温度条件下における焼結技術などの革新的なプロセス技術の開発により、2035年に年間約247万トンの二酸化炭素(CO2) 削減が期待できるという。「革新的プロセス開発基盤の構築」と「革新的プロセス開発基盤の応用開発」の2テーマが設定されており、(国研)産業技術総合研究所、(一財)ファインセラミックスセンター、(株)村田製作所ほか7社が連携し、事業目標の達成を目指す。

情報源 (国研)新エネルギー・産業技術総合開発機構 ニュースリリース
機関 (国研)新エネルギー・産業技術総合開発機構
分野 環境総合
キーワード Society 5.0 | ポスト5G・6G | ファインセラミックス電子部品 | エンジニアリングセラミックス部品 | IoT分野 | 医療・ヘルスケア分野 | リバースエンジニアリング | ブラックボックス化 | プロセス・インフォマティクス技術 | 次世代ファインセラミックス
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