「令和5年度ものづくり基盤技術の振興施策」(2024年版ものづくり白書)が5月31日に閣議決定された。これは製造業基盤技術の振興に関する政府の施策を報告するもので、経済産業省、厚生労働省、文部科学省の3省が共同で作成している。この白書では、CX(コーポレート・トランスフォーメーション)やDX(デジタル・トランスフォーメーション)に焦点を当て、日本の製造業の競争力強化に向けた課題を分析している。日本の製造業は、国内投資の重要性が高まる一方で、売上の多くを海外市場で稼ぐ構造に変化している。しかし、グローバルなビジネス展開に適した経営の仕組みが整っておらず、利益率が低水準にとどまっている。また、DXも個別工程の改善にとどまり、全体的な稼ぐ力の向上には繋がっていない。これを克服するためには、CXによるグローバル事業に適した経営と組織の仕組み化、DXによる製造機能の全体最適化と事業機会の拡大が求められる。さらに、国内外の組織がシームレスに連携できる仕組みの整備や、製造業DXの全体最適や事業機会の拡大にも取り組むが必要である。産業データの連携が進んでおらず、競争力強化には具体的なメリットを示す取り組みが重要となる。加えて、従業員の能力開発も進んでおらず、経営面と人事面の効果が実感できる企業が少なく、デジタル技術を活用した能力開発の基盤整備とDXなど成長分野の人材育成を進める必要がある。これには、小学校から高等学校までのものづくり教育や、Society 5.0の実現に向けた先端的な研究開発の推進が含まれる。これらの取り組みにより、日本の製造業が新たな価値を生み出す基盤を整えることが期待されている。
情報源 |
経済産業省 ニュースリリース
2024年版ものづくり白書(概要)PDF |
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機関 | 経済産業省 |
分野 |
環境総合 |
キーワード | 経済産業省 | 文部科学省 | 厚生労働省 | 製造業 | 人材育成 | Society 5.0 | デジタル・トランスフォーメーション | 2024年版ものづくり白書 | コーポレート・トランスフォーメーション | グローバルビジネス |
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