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 ダンプトラック輸送の省エネ化に役立つマルチマテリアルを紹介 NEDO

発表日:2022.05.31


  新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、「戦略的省エネルギー技術革新プログラム(事業期間:2012~2024年度)」において実用化された新技術を紹介した。同事業は、資源エネルギー庁が策定した「省エネルギー技術戦略(初版:2007年)」の重要技術や、2030年に高い省エネ効果が見込まれる技術の開発から事業化までをシームレスに支援するもの。今回、実用化研究の枠組で進められてきた研究開発テーマ、「土砂等貨物の運搬効率を飛躍的に向上させるフッ素樹脂と金属板の直接接合技術によるダンプカー等荷台設置部材の開発(助成先:株式会社ヒロテック)の成果が紹介された。当該テーマは、2019年度第2回公募で採択され、同社ほか2社、海洋研究開発機構および大阪工業大学などが共同で取り組んできたもの。ダンプトラック輸送を巡っては、荷台表面に土砂等が付着して残り、実質的な積載量や清掃作業に伴う稼働率の低下が現場の課題となっている。これまで荷台表面への潤滑素材の貼り付けや塗布などが試行されてはきたものの、画期的な効果は得られていなかった。株式会社ヒロテック等は、超潤滑・高強度でありながら難接着・難接合材料であるフッ素樹脂「ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)」とステンレス鋼板を、レーザーで表面処理・接合する技術を創出した。さらに、氷点下30℃~175℃と幅広い温度環境下における接合強度の評価を行い、新技術の信頼性が確認された。ダンプトラック荷台の隅角に新技術を施し、実際の運行環境下で2年3カ月間の社会実装試験を行った結果、付着残土ゼロと十分な耐久性が確認され、接合耐久および潤滑性能は5年以上と評価された。省エネ効果に関する試算も行われており、輸送効率の向上を通じて年間9.38万kL(2030年市場普及想定数6万台相当)の燃料消費量が削減できるとしている。既に量産が始まり、販売体制も確立され、堆雪の運搬への適用などが検討されているという。

情報源 (国研)新エネルギー・産業技術総合開発機構 ニュースリリース
(株)ヒロテック ニュースリリース
大林道路(株) プレスリリース
(国研)海洋研究開発機構 プレスリリース
機関 (国研)新エネルギー・産業技術総合開発機構 (株)ヒロテック 大林道路(株) 大蓉ホールディングス(株) (国研)海洋研究開発機構 
分野 環境総合
キーワード ポリテトラフルオロエチレン | 省エネ効果 | 省エネルギー技術戦略 | フッ素樹脂 | レーザー接合 | ダンプトラック | 荷台 | 社会実装試験 | 接合耐久 | 潤滑性能
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