(株)エナリスと(資)大和川酒造店(本社・酒蔵:福島県喜多方市)は、ブロックチェーンを使って記録、追跡した再エネ使用実績をNFT(Non-Fungible Token)アート化し、さらに実際のマーケットプレイスに出品して、その資産価値や付加価値なども検証する先駆的な協働実証事業を開始した。1990年代に登場したインターネットは、2000年代に入り、SNSの浸透・定着等による双方向コミュニケーションの確立を経て、ブロックチェーンを核とする「次世代の分散型インターネット(Web3.0)」に進化しつつある。ブロックチェーンは、米国の巨大IT企業が膨大な個人情報を管理する体制の弊害などを踏まえ、取引に係る情報のプライバシーやセキュリティの向上を図るために開発された技術。取引履歴を暗号技術によって過去から1本の鎖のようにつなぎ、多くのユーザーが同一のデータを分散保持することで、データの破壊・改ざんや不正な取引を防止する。現在、ブロックチェーンを活用した仮想通貨(暗号資産)の実取引が普及しつつあり、デジタルアート・ゲームアイテム・音楽作品などを中心とするNFTマーケットプレイスも活発化している。NTFの市場規模は2027 年までに約1兆9,000億円に達すると見られており(民間調査会社調べ)、2021年度から経済産業省はファッション分野におけるNFTの導入可能性を検討している。(株)エナリス(議決権比率:auエネルギーホールディングス59%・電源開発41%)は、エネルギーエージェントサービスと小売電気事業者支援サービスを柱とする電力事業者で、業務の一環として、再エネ価値の見える化や、より効果的な消費者への訴求方法を模索してきた(例:カーボンフットプリントの活用等)。片や(資)大和川酒造店は寛政二(1790)年に創業した老舗酒造メーカーで、近年では喜多方産米100%へのこだわりに加え、エネルギー自給100%を目指している。東日本大震災以降、会長の佐藤彌右衛門氏が自然エネルギー発電・売電会社を立ち上げ(2013年)、酒蔵に屋根型太陽光発電パネルを設置するといったサステナブルな事業活動を展開してきた。本実証に使用するNTFアートは、酒蔵の全景や企業ロゴ、おすすめ商品と再エネ使用量のグラフ等をあしらった画像に再エネ使用実績が紐付けられたもの。両社はこれを「再エネデジタルアート」と呼んでいる。(株)エナリスは、「再エネデジタルアート」を個別商品・サービスまで落とし込むことによって、カーボンフットプリント等では伝わりにくかった”環境貢献価値”の訴求が可能となり、新たなビジネスモデル・イノベーション創出につながるとにらんでいる。再エネがどこで生まれ、事業者がいつ、どれだけ使用したかといった唯一無二の情報を証明・流通させることで、再エネ主力電源化の推進、ひいては脱炭素社会の実現に資する効果の発現が期待される。
情報源 |
(株)エナリス ニュース
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機関 | (株)エナリス (資)大和川酒造店 |
分野 |
環境総合 |
キーワード | 太陽光発電 | ブロックチェーン | 脱炭素社会 | 再エネ主力電源化 | 喜多方市 | NFT | Web3.0 | デジタルアート | 新電力事業者 | 再エネ価値 |
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